二重国籍者の将来像
はじめまして!私が案内人の万次郎(祖父の名前は万太郎)です。よろしく!
留学生:「万次郎(案内人)さん、僕は母がフィリピン人で父が日本人なので、
フィリピン国籍と日本国籍の両方を持っています」
「現在は18歳ですが、22歳になる前に国籍をどちらか一つにしな
ければならないと聞いていますが本当なんでしょうか?」
案内人:「ふ~む…そうじゃのう…」
「残念ながら日本は、二重国籍を認めていないんじゃよ」
「だから、22歳になるまでにどちらかを選択して届け出をしな
けりゃいかんのじゃ」
「但しじゃな、届け出をしなくても罰則規定はないんじゃが、片方の
国で公の職業などに就いた場合などは、日本国籍を剥奪されると法律
で謳っているそうじゃ」
「じゃがのう、実際には現在までに強制剥奪された例は1件もないそう
じゃ」
留学生:「そうなんですか?…」
「そうすると、フィリピン国籍の方はどうすればいいのですか?」
案内人:「フィリピンは二重国籍を認めている国だから、一旦、フィリピン国籍
を取得した者は永久にフィリピン国籍なんじゃよ」
「今じゃ、二重国籍を認めている国は世界中にたくさんあるんじゃよ」
「日本の法律が古いまま生きているので、行政も人権に関わる国籍の
剥奪を実行出来ないというのが実情のようじゃ」
「最近、国籍問題で話題になった民進党代表の蓮舫議員がいい例じゃ」
「最終的には日本国を選択したが、中国籍(台湾)を放棄しなくても、
できるだけ一つにする努力をしますというだけで、罰則も無くて済む
んじゃよ」
留学生:「そうなんですか」
「そうすると、とりあえずは22歳までに日本国籍選択の届けを提出
するだけで、あとはフィリピン国籍放棄の努力をしますというフリを
するだけでいいのですね」
「これで安心しました。ありがとうございました」
「実は、フィリピンの医科大学へ進学しようと思っていたんですが、
フィリピンでは、弁護士や医者などは外国人は成れないと聞いた
ので、将来、日本国籍を選択したらフィリピン国籍が無くなり、
折角、医大へ進んでも国家試験も受けれないと思い、相談に伺った
のです」
案内人:「そうじゃな、日本は医師の国家試験は外国人にも門戸が開放されて
おるが、フィリピンにはネガティブリストというのがあって、
フィリピン人の職域を守るために外国人が成れる職業が制限されて
おるんじゃよ」
「先日訪ねてきた日本人青年も留学で医大へ通っているんじゃが、
外国人は医者の国家試験を受験できないと気づき相談に来たの
じゃ。
国籍取得は無理なんじゃが、市民権が獲れれば受験資格も取れる
んじゃと教えてあげたんじゃ。まー市民権取得も難儀なものじゃ
が。ガハハハ…」
留学生:「そうだったんですか、市民権を取得すればいいんですね。友達にも
教えてあげます」
「いずれはフィリピン国籍を放棄しなければいけないと思っていました
ので、教えていただき、本当によかったです!」
「二重国籍の特権を活かして医師の国家試験を受かるよう頑張ります。
ありがとうございました」