誰も書かない親子留学の落とし穴
母 親:「万次郎さん、子供の留学についてお聞きしたいのですが
入学に際して必要なものは何ですか?」
万次郎:「そうじゃのぅ、子供さんはいくつじゃ?」
母 親:「小学校3年生と5年生です」
万次郎:「学校は、公立じゃな?」
母 親:「下の3年生は、公立ですけど、上の子は私立です」
万次郎:「うーむ、そうするとじゃな、小学校1年生からの英文に
翻訳した成績表が必要じゃ。一部の学校では
レッドリボンを要求しているところもあるようじゃが
セブではほとんど要求されてないから大丈夫じゃ」
母 親:「レッドリボンってなんですか?」
万次郎:「簡単に言えば、公印認証じゃよ。公立学校の場合は、
外務省の認証だけで済むんじゃが、私立の場合は、
法務局の認証も必要なんじゃ。日本の高校や大学を
卒業した場合は求められることが多いが、小学校では
ほとんど必要ないから心配いらん」
母 親:「それは、日本で公印認証してもらわないといけないん
でしょうか?」
万次郎:「いや、それは必要ない。日本だと翻訳代で数万円も
取られるじゃろ? 成績表の原本があれば、小学校の
1年から直近の成績をA4用紙1枚に簡略化して
翻訳するだけじゃ。よく、日本で翻訳して来たという
人が、毎学年分をそのまま翻訳しているケースがあって、
翻訳代に10万円以上もかけた人もおる」
母 親:「それじゃー、こちらで翻訳して貰えるんですね?
おいくらぐらいですか?」
万次郎:「翻訳はプロでなくてもいいんじゃ。自分で翻訳してもいい
し、せいぜい3千円くらいじゃ。最近は、小学校の担任に
頼めば、やってくれる学校もある。要は、学校長の公印が
あればいいんじゃ」
母 親:「わかりました。日本へ帰ったら学校へお願いしてみます。
あと、学校はどうやって探したらいいんでしょうか?
インターナショナルやプライベート校がたくさんあって、
よくわからないんですが・・・」
万次郎:「基本的にセブのインターナショナル校は、実質プライベート校
なんじゃ。ホントの意味でのインターナショナル校は、1校
だけじゃ。じゃが、そこの授業料は日本のインターナショナルと
同じくらい高い。年間150万円以上じゃ。
普通のプリベート校やインターナショナル校の年間授業料は、
20万円前後じゃから、兎に角、安い。
プライベート校は、地元の公立小学校と同じで、3年生までは
英語での授業は少ないんじゃ。現地語での授業じゃ話にならん。
行かない方がいいじゃろう。その点、インターナショナル校は、
幼稚園から全て英語での授業じゃから問題ない。
よく、プライベート校へ入って失敗したという方もおられる。
プライベート校は、当然、地元のフィリピン人が通うから、
クラスの人数も多い。30人から50人位、居るそうじゃ。
そんなに居ては、勉強についていけない子のフォローもできる
わけがない。その点、インターナショナル校は、少数人数じゃ」
母 親:「まだ、英語も話せない状態で授業についていけるのか、どうか
心配なんですが?」
万次郎:「そうじゃのう、先ず、ESLという英語の補修校のある学校を探し、
1ヶ月~3ヶ月位通うといい。ほとんどの学校で入学試験や面接が
あるんじゃが、ESLに通学することで学校の雰囲気もよくわかるし、
面接の仕方などの情報も聞ける。基本的には、高い授業料を納めて
くれるお客さんなんじゃから、試験に受からないことはあり得ない
んじゃ。
ただ、英語力が足りないと学年を1年落としての入学もある得る。
また、一部の有名私立校では試験に忠実な学校もあって、
受からないこともある。そもそも、会話も満足にできない状態で、
最初からあまり高望みをしないことじゃ。無理くり、レベルの高い
有名校に入れたがる親が多いが、子供のことも考えてやるべき
じゃないのかのぉ」
母 親:「語学学校の方から、試験に受かるレベルになるまでは語学学校で
そういう対策コースを受講するように勧められているんですが・・」
万次郎:「初級レベルのインターナショナルに入学する為にわざわざ語学学校
に通うのは無駄というものじゃ。学校へ通えば必然的に1日8時間
英語漬けの授業が受けれるし、友達もできるから、通学することが
一番の勉強法じゃ。授業料も、語学学校の5分の1位で済むじゃろ。
一般的に、日本人にとっては、インターナショナル校に通っている
というと聞こえはいいが、フィリピン人からすると逆じゃ。あまり、
勉強が好きじゃないんですねと言われとる。要するにインターは、
英語に特化した学校で、中身はたいしてレベルは高くはないんじゃ」
母 親:「私の知っている方が、インターナショナルへ通うには、お子さんの
英語レベルを上げてからでないと入学試験に受からないといわれて、
半年で120万円も授業料を払ったのに、来年の6月までもう少し
勉強した方がいいと言われて、まだ通っています」
万次郎:「それはどこの語学学校じゃ?」
母 親:「韓国系の学校です」
万次郎:「それはボッタクリもいいとこじゃ。確かに韓国人は英語の
勉強には熱心じゃからのう。韓国の大手企業は、外資系が
占めておるから、英語が完璧でないと入れないという実情が
あって、親が子供に期待をかけすぎておる。かわいそうじゃ。
語学学校も集客で大変なのはわかるが、親の子供にかける期待を
逆手にとっておるのは、教育ビジネスとしては、最低じゃのぉ」
母 親:「そうですね。万次郎さん有難うございます。あと、フィリピンの
学校は、6月からが新学期と聞いていますが、9月からの転入
は、可能でしょうか?」
万次郎:「9月からでも転入は可能じゃが、次の新年度はまた同じ学年から
スタートじゃ。要するに出席日数がたりんのじゃよ。最低でも
8月上旬には入学していないと次の年に進級はできんのじゃ。
たとえ途中入学でも年間授業料は同じじゃ。」
母 親:「万次郎さん、今日は大変有難うございました。その他にも
たくさんお聞きしたいことがありますので、またお伺いします」