外国人が土地を所有できない理由
静 夫:土地付き一戸建て住宅を妻(フィリピン人)と共有名義で買おうと
思っているんですが、建物部分だけなら外国人でも買えるんですよね?
万次郎:フィリピンでは、建物部分についての登記というのは無いんじゃ。
建物は、土地の定着物としてしかみてないので、戸建ての場合は
すべて土地部分の登記になるから、土地と建物を分離した抵当権は
設定できんのじゃよ。
静 夫:私の友人が言うには、フィリピン人配偶者となら共有名義で買えると
言っているんですが・・・実際にタイトル(土地の権利書)には、
友人の名前と日本国籍が記されてましたが・・・違うんですか?
万次郎:土地のタイトルには、フィリピン人の名義人とその名義人が既婚して
いれば、配偶者の名前と国籍を明記することが義務付けられておる。
それをあんたの友人は共有名義で購入したと勘違いしているんじゃな。
フィリピン法では、フィリピン人国籍以外の外国人は、不動産を所有
することが禁止されておる。外国人にその権利を与えるとフィリピンの
土地が高騰してしまうからなんじゃよ。
資金は外国人が出して、フィリピン人が名前だけを貸す行為を禁止する
法律のことをアンチダミー法というんじゃが、不動産の所有においても
この法律が機能しておる。
静 夫:そうなんですか?
私の友人は、今でも共有名義で戸建てを購入していると
思い込んでいることになりますよね・・・。
友人の奥さんは、重い病気にかかっていて、そう長くはもたない
そうなんですが、もし、亡くなったら、その土地の権利はどうなるの
ですか?配偶者だから、相続できるんですよね?
万次郎:ふーむ・・・。
それも叶わんのじゃ。先程も言ったように、外国人には相続されん。
フィリピン人の子供、親、兄弟の順に相続されるだけじゃ。
静 夫:子供も親もいないと聞いてます。兄弟に相続されるんですね・・・
大変だ、こんなこと言えないな。
万次郎:フィリピン人の収入では、そう簡単には不動産なぞ買えるもんでは
ない。分相応に生活していれば問題などは起きんが、そうやって、
自分名義で買えない不動産をフイリピン人名義で買おうとするから、
そういった落とし穴にハマるんじゃよ。
あんたもその辺をよーく考えてから決めることじゃな。
静 夫:そうですね。よーく考えてみますw。