意外と知られていないアンチダミー法
日出男:個人事業でビジネスをするつもりなんですが、やはり就労ビザは必要
でしょうか?
万次郎:会社であろうと個人事業であろうと就労して報酬を得ようとしたら
観光ビザでは働けん。通報されたら国外退去じゃ。
日出男:やはり9Gという就労ビザが必要なんですよね。
万次郎:それから、外国人は個人事業主には成れないことは知っておるな?
日出男:はい、知り合いのフィリピン人に成ってもらいます。
万次郎:それはいいが、事業資金はあんたが出すんじゃろ?
日出男:はい、勿論ですw
万次郎:それじゃーアンチダミー法というのを知っとるかな?
日出男:何ですか?それ?
万次郎:フィリピンでは、国内の雇用や国益を守るために、外国からの投資を
厳しく規制しとる。
ネガティブリストというのを聞いたことはないかな?
業種によって、外国からの投資を制限するために設けられた法律じゃ。
外国人はこの規制の為に100%の出資が出来ないので、規制の緩い
フィリピン人の名前を借りておるが、株式や出資金は本来、出資者が
拠出しなければならないのに、実際はフィリピン人の名前を借りてお
るんじゃ。
これはアンチダミー法といって、名義を貸している人、借りている人
共に、5年以上の懲役や、厳しい罰金が科される法律に抵触すること
に成るんじゃ。
フィリピン国内の外資企業は、殆ど、これに抵触しているといっても
過言ではない。
そして情報提供者は、金銭的報酬も得られることにもなっているので、
協力者と思っていた人からのタレコミで、厳しい判決を受けることに
なるわけじゃ。
日出男:そうなんですか?気をつけます。
万次郎:ところでどんなビジネスをやるつもりなんじゃ?
日出男:観光業です。最初は店舗を持たないでインターネットで集客しようと
思っています。ガイドもフィリピン人の友人がやってくれることに
なっています。
万次郎:ツーリスト業はライセンスが必要じゃよ。
日出男:はい、わかっています。
万次郎:ビジネスをやるんであれば、フィリピンの法律はちゃんと守ってな。