セブ案内所

長期留学、永住を希望されている方などにフィリピン生活で必要な情報をわかりやすく「案内人 万次郎」が会話でつぶやきます。

あまり知られていない海外年金口座の落とし穴


孝 治:万次郎さん、今まで年金の振込み口座を
    日本国内の銀行にしていたんですが、
    ATMの引き出し手数料が結構、
    馬鹿にできないんで、フィリピンの
    海外口座に変更しようと思うんです。
    日本年金機構のHPを見ると
    ドル口座で通帳が必要みたいなんですが、
    ドル口座を開設するには、
    500ドルのデポジットが必要です。
    デポジットが高すぎて、とても口座を
    開設する気にならないのです。
    ペソ口座なら持っているんですが・・・。


万次郎: 年金機構のHPには、確かに日本年金機構
    からドル建てで送金する為、受け入れ口座は、
    ドル口座と通帳の写しが指定されておる。
    しかしじゃ、これもお役所仕事で、
    ドルからペソへの換金手数料が自動的に
    差し引かれる為に、便宜上、ドル口座を
    指定しておるだけなんじゃ。
    いまどき、海外からドルやペソで送金して
    日本円に換金して口座に入金できない銀行は
    無いのと同じで、逆に、円口座以外に日本円で
    振込みができないなんてことは無いんじゃ。
    メガバンクや中央銀行が自動的にペソやドルに
    換金して指定口座へ入金してくれるんじゃ。
    ドルで受け取りたい人はドル口座を開設すれば
    いいし、円で受取りたい人は円口座を開設すればいい。
    ドルで送金するからドル口座以外には振り込めない
    ということでは、ないんじゃよ。


孝 治:そうなんですか?それは知らなかったです。
    いい事を聞きました。早速、口座変更の手続きをします。

万次郎:ただ、一点だけ確認しておいた方がいい。
    地方銀行では、自動換金してくれない銀行も
    あるやも知れんから、それだけは確認して
    おいた方がいいぞ。


孝 治: BDO銀行です。


万次郎: そこなら、問題ない。
    年金受給者の多くが皆、わざわざデポジットの
    高いドル口座を開設させられておる。
    フィリピン国内の流通貨幣がペソであること
    くらいは、百も承知なのに日本の役所もそういった
    実態を把握して、メッセージを流してもらいたいもんじゃ。
    ドル口座や円口座では、通帳しかなく、
    ATMキャッシュカードがもらえないので、
    わざわざ窓口で引き出すしか方法がなく、
    あとで両替もしなくちゃならん。
    少々の換金手数料を引かれても、
    ATMで引き出さたほうが便利というもんじゃ。
    

海外でパスポートを更新したときの意外な落とし穴とは・・・


聖 子:万次郎さん、私、新しいパスポートで入国したら、観光ビザのスタンプ
    を押されちゃって、観光ビザにダウングレードしたみたいで、就労ビザ
    の更新ができないと言われたんです。どうしたらいいんですか?


万次郎:うーむ・・あんた、パスポートを更新したら(就労)ビザのスタンプも
    新しいパスポートに移行しなきゃならんのじゃ。
    入出国時に古いパスポートやACRI-Cardを見せることで、あんたが就労
    ビザをもっていることが職員にもわかるが、真っさらなパスポートだけ
    じゃ気づかんかったんで観光ビザのスタンプだけじゃったんじゃろぅ。


聖 子:出国するときは、見せたので入管で再入国許可代も払ったんですが・・
    それで、セブのイミグレでは、スタンプの移し替えは出来ないから
    マニラ本局へ行くように言われたんですが、本当なんですか?


万次郎:そーじゃよ。セブのイミグレでは、残念ながらビザスタンプの移し替え
    をする権限を与えられてないんじゃ。
    古いパスポートを携帯し、入出国を繰り返している人も多いんじゃが、
    基本方針は、新しいパスポートに移し替えることが入管法で規定されて
    おるようじゃ。入管の職員によって扱いが異なるから、規則通りに従う
    方が賢明じゃ。先進国の日本で通用しても、ここはフィリピンじゃ。


聖 子:やっぱり、マニラまで行ってビザの移し替えをしなくてはいけないん
    ですね?


万次郎:自分で行ってもいいし、ライセンスを持ったエージェントなら有料で
    代行もしておるよ。
    いろんな人がおってなぁ・・古いパスポートと新しいパスポートを両面
    テープで剥がれないようにしている人とか、ビザのシールを切り取って
    新しいパスポートに貼っつけたりと・・・
    
    パスポートを新しくして、入国スタンプもない状態での出国も微妙に
    扱いが異なるのじゃ。セブオフィスでは、出国できないというが、入管
    では、古いパスポートを見せて、実際に出国しておるのも事実じゃ。
    
    イミグレのオフィスと空港入管は組織が違うと思っておる人もいるよう
    じゃが、司法省の傘下にある同じ移民局の機関なんじゃ。
    ただ、やっている業務が、オフィスでは、滞在ビザの審査が主体で、
    空港入管は、入出国審査を入管法に従っておこなっておるんじゃ。


    滞在ビザを認められたのに入国できないなどの事態が起きるのは、入管
    法の関連施行規則に基いているからで、同じイミグレの組織なのに
    何で?
    ということが現実に頻繁に起こっているわけじゃ。


聖 子:そうなんですね?
    パスポートを更新したら、観光ビザの人でもスタンプの移し替えを
    しないと延長手続きも出来ないという理由がなんとなくわかりました。
    次からは、パスポートを更新したらスタンプの移し替えを忘れずに
    やります。今日は、有難うございました。

意外と知られていないアンチダミー法


日出男:個人事業でビジネスをするつもりなんですが、やはり就労ビザは必要
    でしょうか?


万次郎:会社であろうと個人事業であろうと就労して報酬を得ようとしたら
    観光ビザでは働けん。通報されたら国外退去じゃ。


日出男:やはり9Gという就労ビザが必要なんですよね。
    
万次郎:それから、外国人は個人事業主には成れないことは知っておるな?


日出男:はい、知り合いのフィリピン人に成ってもらいます。


万次郎:それはいいが、事業資金はあんたが出すんじゃろ?


日出男:はい、勿論ですw


万次郎:それじゃーアンチダミー法というのを知っとるかな?


日出男:何ですか?それ?


万次郎:フィリピンでは、国内の雇用や国益を守るために、外国からの投資を
    厳しく規制しとる。
    ネガティブリストというのを聞いたことはないかな?
    業種によって、外国からの投資を制限するために設けられた法律じゃ。
    外国人はこの規制の為に100%の出資が出来ないので、規制の緩い
    フィリピン人の名前を借りておるが、株式や出資金は本来、出資者が
    拠出しなければならないのに、実際はフィリピン人の名前を借りてお
    るんじゃ。
    これはアンチダミー法といって、名義を貸している人、借りている人
                共に、5年以上の懲役や、厳しい罰金が科される法律に抵触すること
    に成るんじゃ。
    フィリピン国内の外資企業は、殆ど、これに抵触しているといっても
    過言ではない。
    そして情報提供者は、金銭的報酬も得られることにもなっているので、
    協力者と思っていた人からのタレコミで、厳しい判決を受けることに
    なるわけじゃ。


日出男:そうなんですか?気をつけます。


万次郎:ところでどんなビジネスをやるつもりなんじゃ?


日出男:観光業です。最初は店舗を持たないでインターネットで集客しようと
    思っています。ガイドもフィリピン人の友人がやってくれることに
    なっています。


万次郎:ツーリスト業はライセンスが必要じゃよ。


日出男:はい、わかっています。


万次郎:ビジネスをやるんであれば、フィリピンの法律はちゃんと守ってな。