親子留学の宿命
母 親:「万次郎さん、子供たちの留学には主人も協力してくれているんですが、
将来、帰国してから大学を受験できるのかどうか不安なんですが・・・」
万次郎:「そうか、実はな、フィリピンの教育制度が2年前に改革されて、
小学校から高校まで日本と同じ12年間になったんじゃ。
今までは10年じゃったから、卒業年度と年齢が合わないため、
帰国子女条件の障壁になっとったんじゃ。今後は心配いらん」
母 親:「そうすると、これからは帰国子女の条件で受験できるんですね?」
万次郎:「実際には帰国子女の条件に合っても、学校によって条件が異なり、
年齢の問題よりも、学習レベルの差の方が問題なんじゃ。
英語力は群を抜いて秀でているので、受け入れ大学もたくさん
あるんじゃが、他の数学や国語の成績で差が有り過ぎることが
問題になっとるんじゃ。
志望する大学があるなら、今からでも調べておいて、
それなりの日本レベルの学習もしておいた方がいいじゃろぅ」
母 親:「小学校レベルなら兎も角、中学校レベルとなると難しくて
とても教えることなんて無理です・・」
万次郎:「そう心配されるではない。学習塾もあれば、オンラインでの
学習方法もあるじゃろぅ。
お子さんは大変じゃろうが、頑張ってもらうしかなかろう」
母 親:「やはり、高校へ入学する前に帰国した方がいいですね?」
万次郎:「もっと先の将来を見据えて考えた方がいいと思うがのぉ。
折角、留学までするんであれば、英語の読み書きがしっかり
出来るまで、こっちの大学へ行くという選択肢もあるじゃろう。
少しくらい英語が話せるくらいで仕事にあり就けるほど、世の中
それほど甘くないですぞ。
こちらの大学は学費も日本の十分の一ほどじゃし、無理して
日本の私立大学へ行くくらいなら、こっちの方がよっぽど将来性がある。
しかしなぁ、残念なことに留学した子供たちの半数以上の親は、
日本の受験に不安を抱き、わずか1~2年で帰国してしまう。
折角覚えた英語もすぐに忘れてしまうし、本当に残念でならん!
心配する気持ちもわかるが、これからは、日本語だけでは世の中
通用せんと思うがのう」
母 親:「そうですね。そういう選択もありますよね?
色々と有難うございました。また、相談に来ますので
よろしくお願いします」